「クマの住む森守れ」 NPOが山林買収

自然保護のため寄付金などで山林を取得して保全する活動を進めているＮＰＯ法人「奥山保全トラスト」（兵庫県西宮市）が、京都市右京区京北の山林約16ヘクタールを買収した。今春にもクヌギやコナラを植樹するなど森林保全活動を始める。
トラストは、自然が残る山林や海岸などを寄付や購入などで取得し、半永久的に開発から守る活動。同NPOは、河川の水源域となる奥山を守る活動を進める自然保護団体「日本熊森協会」（森山まり子会長）のトラスト部門が独立し、昨年3月に発足した。
今回は、旧京北町（京都市右京区に編入）で林業を営んでいる男性が活動趣旨に賛同。同NPOは、男性から山林を約1000万円で購入した。大阪府内の無職女性（76）からの寄付金を購入費用にあてた。
山林は桂川水系の水源地にあたり、約10ヘクタールがナラやブナの自然林として残っているという。
森山会長は「人間の生活と産業を支えているのは奥山。日本の山林は人工林ばかりになって保水力を失い、荒廃した。クマが住めるような広葉樹の森を守りたい」と話した。
これまでに同NPOが取得した山林は富山県内で約672ヘクタール、静岡県内で約294ヘクタールなど約1184ヘクタールにのぼる。福島県や滋賀県でも取得を予定しているという。
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